タップチ日記

映画、本、スポーツについてずらずらと

原節子、降臨。その2

原節子さんの映画では、世評が高い小津安二郎監督のものより、黒澤明監督の「わが青春に悔いなし」や「白痴」、また、木下恵介監督の「お嬢さん乾杯」が好きだ。

黒澤監督のものは、日本人にはなかなかいない自己主張をしっかりする、気性の激しい女性像描かれてい、木下監督のものは、しっかりとしたコメディで、爆笑物の一本だ。

「白痴」の冒頭、写真館の前で、森雅之三船敏郎の主人公二人に見つめられる原さん演ずる「那須妙子」のポートレイトが、秀逸だ。

黒マントを着て、真正面を挑戦的に見つめている。愛らしさは少しも感じず、ただならぬ気配で、これから始まる物語の、荒々しいさまを予見させる。